今回は少し早目の転載ですが、またこれまでとは打って変わってC向けの話ですが、電経新聞さんのコラム第4回をポストさせて頂きます。
GREEさんが上場した時に、私としてはその成長性にとても驚いて、当社顧問の佐々木先生のブログなども読みながらいろいろと考えてみたのですが、昨年あるメディアの会社の方々とお話していた時に、今回のブログで書いたようなことを思いついたのでした。
この構造、すごくぶっきらぼうな見方と言われるかもしれませんが、BOP(base of the pyramid)ビジネスのあり方と非常に近似していると思っていました。
ポイントという仮想通貨が、ネットという仮想の世界での生産を伴うことで、新しい経済圏を拡大していくんじゃないか?というのがこの論旨です。是非皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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ネットとポイントシステムが築く新しい経済圏
近年、ソーシャルネットワークやそれを活用したソーシャルゲームといった分野が話題になることが多い。前出のソーシャルネットワークについては、米国でも未上場ではありながら、現時点で時価総額約500億ドルという価値を創出しているFacebookや、上場した年の決算から3年間で20倍以上の売上に成長したグリーなどが、また後者のソーシャルゲームではFacebookを主戦場として成長した米国のゲームメーカー、Zyngaといった会社が有名だ。
これら企業は高い売上を上げることが難しいと言われていたネット事業において、驚異的なスピードと規模で成長を続け、これまでの常識を大きく覆している。
こうした高成長の原因を、ゲームの中に既にソーシャルネットワークで築かれた関係性を持ち込み、プレイヤー相互にゲームで遊ぶモチベーションを喚起し合うその仕組みや、様々な時間の隙間で手軽に遊ぶことのゲームデザイン、また収入格差が拡大する消費者のうち、低所得層がより低価格で、費用対効果の高い暇つぶしツールとして利用できる価格感など、様々なところに探る向きもあるが、筆者はより多くの人が価値取引に参加可能なインターネット特有の価値提供・交換の仕組みに大きな一因があると考えている。
現実の世界においては、生産物に対してお金で対価を支払うことができない人は、経済システムに参加するのに高いハードルを超えなければならない。この時点で、市場に参加出来る人数は限定的となり、消費の規模も確定してしまう。
これに対して、ソーシャルネットワークに代表されるデジタルの世界においては、現実世界において価値生産に貢献の小さい、あるいは貢献のない人でも、各ソーシャルネットワークが提供し、ネット上で中間財として機能しているポイントを、本当に些細なことではあるが、時間を使って掲示板への投稿やバナーのクリックといった様々なデジタル的な価値の生産により獲得することが出来、そのネットワーク内においてポイントを利用することで新たな「消費者」として参加することが出来る。
他方、こうした新しい「消費者」の行為は、ネット内では名声や注目を集めることとなり、ネット上での新しい立場を作り出すが、お金を持つ人は時間を利用すること無く、その経済力を行使してポイントを購入することで、一瞬にしてその立場を獲得するのと同時に、多くのお金をこの世界に注ぎこむことになる。
つまり、現実世界で金融資産を持たない人にも経済価値を獲得する手段を提供することで、「持たざる者」を「消費者」に変身させ、同時にその活動自体が現実のお金を消費させる仕組みになっていることにより、現実の世界では難しい需要の創出・消費の拡大を実現させているのである。
インターネットを通じてデジタルコンテンツを提供し、その対価を直接受益者から得るビジネスモデルは、これまでは非常に実現が難しく、よしんば収益化に成功したとしても市場が限定されると見られていたが、ネットコミュニティに現出した新しい市場は、新しい経済システムを実現することで巨大な経済圏を創出している。
これまで収益化に困難を極めた既存のデジタルコンテンツビジネスも、こうした仕組みをビジネスに取り込むことで、より大きな収益を生むことが可能になるだろう。