先月から大分空いてしまいましたが、電経新聞に寄稿させて頂きました第3回のコラムを転載させて頂きます。
時価総額世界一になったAppleから、その達成でひと仕事を終えたようにSteve Jobs氏が代表から退任されましたが、”Apple”という強烈なデザインとブランドが、一人の天才から会社の文化にきちんと譲り渡されたのかどうか、これからのプロダクトを是非体験させて頂く中で私も考えてみたいと思います。
#最近、会社の方でrakumoというGoogle Appsのアドオン(グループカレンダーを見やすくするツールや、ワークフローなど)サービスシリーズをリリースしていますが、このサービスのFacebookページを作りました。今後新サービス情報やGoogle Appsなども含めたTips等をいろんなスタッフが投稿していくかと思いますが、是非皆さんご覧頂いて、「いいね!」ボタンを押して頂けると嬉しいです:-)
以下、転載となります:
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クラウドで注目が集まるユーザー体験デザイン力
昨今iPhone、iPadといった商品で大きく売上を伸ばしているアップル社は、1983年にPCで初めてマウスを使用するなど、かねてよりコンピューターという操作が複雑なデバイスで、快適な操作環境を提供することに意識的な会社である。
スマートフォンやタブレット普及の一因は、高い機能拡張性による幅広い利用方法を可能としたデバイスにおいて、快適な操作感を実現したことだった。その意味で、普及の火付け役となったのが歴史的にユーザー体験デザインに尽力してきたアップル社だったことは必然だと言えるだろう。
ユーザー体験(User Experience、略してUXとも呼ばれる)という言葉は、読者の方は聞きなれない言葉かもしれない。Wikipediaを引くと、”ユーザーがある製品やシステムを使ったときに得られる経験や満足など全体を指す用語”となっている。カーナビや携帯電話、Webサイトなど、複雑な操作を要求するものの操作デザインでよく登場する用語である。
ユーザー体験デザインとは、複雑な操作を有するデバイスやサービスに関して、ユーザーが操作に関して高い満足度を得られるようなデザインだと言えるが、個人的な感覚からすると、日本では長らくこの分野は注目されて来なかった。
その原因はハードウェア中心主義にあったように思われるが、近年デバイスにおいてもソフトウェアが重要な役割を占めるようになったことで、ユーザーに複雑な操作を要求するシーンが増え、その過程でUXも徐々に注目されて来ていると感じている。
そのユーザー体験デザインがなぜクラウド時代に改めて注目されるのか?実際、当社のお客様に当社サービスをご選択頂いた理由を伺ってみると、一番多いのが「デザインや操作感」なのだが、これはなぜだろうか?
答えは詰まるところ、クラウド化によるソフトウェアのコモディティ化にあるのではないか。つまり、ソフトウェアが一般化して利用価格が低下することにより、価格での大きな差別化は図りにくくなり、結果的にユーザーが直接的にサービスに対する満足度を感じる機能性、操作性をひっくるめた「ユーザー体験」にサービス選択要因が集約されるのだろう。
今まで法人向けのサービスではユーザー体験デザインは注目されて来なかったが、こうした時代背景から、今後サービスを考える上で重要な検討項目になると考えられる。
以前ある海外のクラウドサービス提供事業者の方に、「例えば法人のSIにおいて1億予算があったとすれば、今まではその多くが直接ユーザーとは関係のない設備に投資され、残りがソフトウェアに投資されるという図式でしたが、クラウドによって設備投資が激減すると、競走の源泉がどこにシフトするかは明白ですよね」と耳打ちされたことがある。クラウドの普及は、ユーザーニーズから見ても大きくソフトウェア開発のあり方を考えるものだと、この話からもご理解頂けるのではないだろうか?