昨日最初に会社を作った頃の資料を整理していたら、思わず赤面してしまうような過去の会社の事業プランや、あるいは他の会社の方から頂いた他者の事業プランが掘り起こされて、思わず懐かしい気分になってしまいました。その中には今はもう清算されてしまったところや、かたや今では億単位の売上げのある会社など、その後の経過まで見るといろいろと面白いことがわかってきます。
そうした懐かしい資料を見ながらうちの編集長と雑談していたのですが、そこで彼も「何もないところで立派なビジネスプランを描いてもワークしない」とコメントしていました。ものの教科書を見ると、「まずしっかりした計画を書きましょう」というものが多いですが、個人的には何もないところでこういったものを書くのは非常に難しいと思いますし、凡そ現実はそんなに理想的には進まないものだったりします。
であれば、とりあえずプランはざっくりと作って、まずプロトを作ってから反応を見ていく、というのが経済的にも非常に合理的なのではないかと近年感じています。もちろん、バブル期のように「とにかくおカネをいっぱい集めておける時に集めておかなきゃ」という意識を持たざるをえない状況に市場の環境から追い込まれることもあるとは思いますが(とはいえ、そういったおカネの貰い方をして後の資本政策でとても困った会社もよく見かけましたが)、比較的市場として落ち着いた現在では、先に書いたような形で起業をした方が良いのではないかと思っています。
更に言えば、この間から取り上げている「ビジョナリーカンパニー」で取り上げられている会社が最初にやっていることは、精緻なビジネスプランを描くことではなくて、いろいろやっていきながら自分達の基本理念を決めていくようなプロセスを踏むことであり、「机上の空論となりがちな資料に時間を費やす」のではなく、実際の経験からより多くのフィードバックを得て、そこから現実味のあるプランを立てる、ということのようです。自分の経験からしても、この方が事業を始める上ではしっくりくるような気がします。
誤解のないように書いておくと、私は決して事業計画を立てることが無駄、といっている訳ではありません。実際、自分で立てた仮説を検証していくということは大事ですし(最近はPDCAサイクルをうまく回しましょうみたいなことをよく皆言いますし)、そういうものが描けるようになることは重要なんですが、もう隙間も全くない事業計画書を作るために膨大な時間を費やすことは、何もない起業の最初のフェーズでやるべきことではないと思うし、結局のところ重要なノウハウはやってみるところから得られることが多いのだと思うのです。
その意味では、起業を目指している人には、直感で得られた「ビジネスの種」を将来の大きな木になるところまでの計画を立ててから埋めるのではなく(そんなことをやっていたら燦々と太陽の照りつける絶好の成長の季節を見逃すことになる可能性大ですし)、とにかく鉢に植えて水を与えてみて、大きくなったらその成長規模に合った鉢植えに植え替えるぐらいの気軽な気持ちで最初はやってみることが大事かと。
そんなわけで、事業を自分でやろうという人は、自分の感性を信じて、より早くフィードバックを貰う形で動いた方がいいんじゃないかな?と思った今日この頃でした。