一昨年生まれた子供のパワーに負けて、新年明けてもろくにBlogに挨拶も書けませんでしたが、皆さん明けましておめでとうございます(個人的には喪中なので、ご挨拶を控えさせて頂いているところですが)。今年もよろしくお願いします。
ともあれ、まずはお詫びから入らないといけません。編集長のblogでも告知させて頂いていますとおり、ここ1~2日リニューアルの際の過負荷とトラフィックの急な集中によりサイトがつながりにくくなっています(事前に帯域拡張を申請していたのですが、間に合いませんでした)。本日午後には解消されると思いますので、ご寛恕頂ければ幸いです。
さて、外資のメディア企業の経営を仰せつかって1.3年、媒体を始めて1年になりますが、昨年度はスタッフ皆の日々のハードワークに支えられて、まだまだ課題は山積しているものの、比較的満足のいく成績を残すことが出来たのではないかと思っています。特に、媒体の立ち上がりはポテンシャルに富む編集長の努力のお陰で、予想を超えていいところまで辿り着きました。今年も後発のチャレンジャーだからこそ出来る様々な試みを、果敢に行っていきたいと思っています。
その第1弾というわけではありませんが、昨日サイトデザインをリニューアルしました。今回のリニューアルの目玉は、ここ数年苦しい時も新しいプロジェクトを一緒に作ってきた Sign の森君によるクールなデザインもさることながら、編集長の発案で、かつ技術開発部が実現を行ってきた Trackback の採用にあります。
実はこの採用に関しては社内的にも様々議論がありました。荒らしの危険性や、媒体イメージの問題など様々なリスクについてももちろん検討しましたが、結局「インターネットメディアの本質とは何か?」というところに立ち返り、実施に向けた決断を行いました。
WebとかWWWと言われるものは、文字通り「蜘蛛の巣状のネット」な訳で、ネットワークに散在する様々なコンテンツが、様々なコンテクストでつながる様を表しています。これは個人でも気軽に、しかもマスに対して一度に発信出来る技術ということで、メディアの歴史から見ても革新的な技術であると言われてきました。現在では、様々な視点で、様々な人、それこそその道のプロから学生まで、自分のサイトやページを立ち上げ、情報を発信し続けています。
少し話は変わってビジネスの話になりますが、今までのメディアビジネスは、コンテンツの質というよりは「いかに制限されたマスに発信するためのチャンネルを占めるか?」、あるいは「いかに情報ソースを押さえるか」というところに競争の源泉があったのではないかと思います。いわば、環境的な要因で情報の非対称性が限りなく大きいところに成り立ってきた産業でした(かなり極端に書いてしまっていますが)。
そうした視点でインターネットというものを眺めてみると、メディア事業を行っていく上では非常に厳しい競争環境にあることが理解できます。インターネットにおいては、物理的なチャネルの制限はほとんどないに等しく、ブランドという皮を剥ぎ取れば、基本的には個人で運営されるサイトと並んで立つことになります。
こうした環境においては、読者の流れの変化と読者層の拡大要因はチャネルの制限ではなく、メディアの本質、即ちコンテンツの質に重点がシフトしてくる、というのが素直な考え方ではないかと思ったのでした。
こうした考え方を背景に、「発信する情報の差別化→視点を大事にした情報の提供」と、「自社の事業上のコア・アセットを把握した上での情報の開放による窓口の拡大」を戦略の中心に据えて、良質な読者の皆さんに媒体を読んで頂けるよう様々な試みを行ってきた結果のひとつが、今回のTrackbackの実装です。
情報のオープン化には個人的な思い入れもあります。インターネットはそもそも「ネットの向こうにいる人を想起できるメディア」としてその当初は作られてきました。ここでの行動規範は「お互いのリスペクト」であって(とかいうと2chのひろゆきさんに怒られるかもですが)、お互いのギブ&テイクによって巨大なコンテンツアーカイブが築かれてきましたが、今まで企業はこの枠組みに、深いところではなかなか踏み込んでこれなかったのではないかと思います。
もちろん媒体としての事業制約上できないことも様々あるとは思いますが、情報に様々な方の視点を Trackback という技術のサポートによって簡単に関連付けることによって、読者の方にはひとつの情報に対する様々な視点がある事実を提供すると共に、視点を提供してくださった方にもある種のフィードバックを返すことで、近年ではあまり言われなくなった「インターネットの心意気」みたいなものを実現できていれば嬉しいと思います。
と、一通りこちらに書いたようなことを逡巡した結果、やるメリットの方がリスクを恐れてやらないことより会社にとって利益が大きい、というある意味合理的な判断をして今回のシステム実装に至りました。
サイト上では「チラ」としか表示されていないこの Trackback ですが、その背景には感性優れた山岸編集長の発案と、古くから一緒にやってきた技術開発担当マネージャの田近の開発センス、更に小さくても非常にCoolな開発力を持ったBeatCraft社の小山さんはじめとしたスタッフ皆さんのヘルプで成り立っています。本当にプロの仕事をしてきた皆さんに感謝してやまないところです。
また、僕自身も非常に勉強になったこととして、いかに若い人にチャンスを作るか?といったことがありました。弊社の編集長は通常であれば編集長として若過ぎる、と言われる年齢だと思うのですが、そういった年とは全く関係なく、実に優秀に仕事をこなしてくれるばかりでなく、様々な前向きの提案をしてくれます。以前プレジデントで楽天の三木谷さんが「社長の仕事は優秀な社員が創造的に働きやすい場をプロデュースすること」というようなことを仰っていましたが、私も漸くここに来て自分でそれを仕事として実感出来るようになってきました。
かなり長くなってしまいましたが、是非面白い!と感じたニュースには、皆さんTrackbackして下さい。よろしくお願いします。