■ 民主党・自由党と合併
政権交代が日本で起きない理由をいろんな人に聞いていると「それは野党には任せられないから」という答えが返ってくることが多かった。それを聞いていつも思い出すのは、よく大企業なんかで聞かれる「若い人には任せられない」という台詞でした。
若い人は多くの場合これを聞いて、「任せて欲しいのに」と思うことが多いのだけど、そういう人に限ってこの政局の話をしてみると、意外に現政党支持の人が多かったりするんですよね。根っこではやはりどこか保守的なところがあるのが、この国の国民性なのだと思います。
まずは今までの状況から真剣に変わろうとすること、そのために思い切って今までとは反対側の政策や流れに身を投じてみることが、世の中を変える上では大事なのではないかと。この辺はまた後日。
最後にフォローしておきたいのが自由党党首の小沢さんの決断。小沢さんが流れを作るために今回大きな決断をしたことは、新聞などで批判的な意見が多い反面、政治の膠着状態を破るための効果的な一手だったと思います。
■ Daft Punk “INTERSTELLA 5555″を見に行く
フランスのテクノアーティスト”Daft Punk”と、日本を誇るSFアニメクリエイター、松本零士の合作によるミュージックビデオ長編”INTERSTELLA 5555″を見に行きました。Daft Punk の2ndアルバム発売後、4曲分のアニメがテレビでも個別に On Air されていましたが、実はアルバムに収録された14曲全てに渡って連続したアニメーションが作られていたというオチ。カンヌ映画祭でも上映され、上映後には拍手が鳴り止まなかったとのお話でした。
上映初日ということもあり、松本零士氏の舞台挨拶もありました。「ミュージシャンはマジシャンです」という話をされていたのが印象的でしたが、僕から見ればアニメクリエイターもマジシャンだと思います。実際の作品は台詞がひとつもなく、約1時間ちょっとの間アルバムの曲が流れ続ける中、アニメのストーリーが進むというものですが、映画館で大音響の Daft Punk の曲を聴きつつ、映像が流れるのを見ていると「まだこういうことが出来るのだ」という感動で、思わず涙が出てきてしまうような作品でした。本当に表現の新しい可能性を見せてくれるいい作品には、人の心を根底から動かす力があると思います。
そういった意味で思わず見終わった後に元気になってしまう、近年でも光るミュージシャンとアニメクリエイターのナイスなコラボレーションでした。リスペクトぉ!
(映画の方はシネマライズ渋谷にてレイトショーで上映中です。)
CNET Japan の記事でも取り上げられているソニーの新しいブランド「クオリア」ですが最初に見た時から、そのブランド名とは裏腹にあまり私のココロにヒットしなかったので、最近いろんな人に「クオリアってどうよ?」と聞いて回っていました。
CNET Japan – 生みの親が語る”クオリア゛の由来 — ソニーCSL
どうも聞いていくと「(値段が)高い」という話が多く、プロダクトに関してはあまり皆記憶に残っていないか、むしろネガティブなイメージが強い印象を受けました。
実際に製品を見ても触ってもいないのに論評するのはどうか?というのもありますが、メディアを通じてのみ得た情報を前提に感想を述べさせて頂くと、私もどちらかというとむしろネガティブなイメージが残りました。
今日仕事上の恩師の1人ともこのことをお話していましたが、そもそも多くの人がソニーに持っていたイメージと言うのは「斬新なアイディアとテクノロジーで生活を変えるプロダクトを作る企業」であったにも関わらず、クオリアブランドで発表された製品には、高級感などのイメージが先行して、そうしたテクノロジーのインパクトを感じるところが少ない、という結論に至りました。
そういった製品群を新しいブランドとして前面に出さなくてはいけない、というのは逆にいうと新しいテクノロジーの発明と、それを製品に結びつけるパワーが減退しているのではないか?という疑念につながります。恐らくそういったところが、クオリアの大々的な発表の際に感じた違和感だったのだと、今にして思っていました。
ソニー、という企業の「らしさ」を伝えるのであれば、むしろコクーンのようなプロダクトにこそ感じるところが大きいでしょう。よくソニーの社風は Apple と比較されることが多いですが、その Apple が、「難しい」と言われて誰もが二の足を踏んでいた音楽配信事業に真剣に分け入っていることを考えると、クオリアの印象は多少そういった事業的・技術開発的にイノベーティブなイメージから後戻りした感を受けます。
近年日本経済が苦しくなるにつれ、IT業界でもハードウェア回帰ブームが広がっているような感を受けます。そこで語られるのは「職人」の価値であることが多いのですが、もちろんそういった人的資源の重要性を認めつつも、でももっと本質的に大事なのは、そういった人的資源を活かして作ったハードをどう市場で展開するのか、その戦略の部分なのだと思います。
ソニーは、そういった職人の作ったハードと、サービスを絡めた戦略をこれまでにも必死に描いてきた会社で、その意味では今でも変わりなく賞賛に値する企業だと思いますが、その会社が「昔の職人気質に回帰してみよう」というスタンスに戻っている印象をクオリアには受けたのかもしれません。元エンジニアとしてそれは美しい話ではあるのだけれども、決して企業のスタンスとしては美しくないと思うのです。
最近株価も「ソニーショック」から立ち直れない状況が続いていますが、その底力にはまだ期待大なので、世界的にもイノベーティブな日本企業としての座をどうか守ってもらいたいと思います。