Log the Endless World

6月 24日

見る人が見れば環境は大きく変わっている

また2ヶ月程空いたブログの更新となってしまいました。毎度「忙しくて更新出来ませんでした」という言い訳を書くのも流石に厳しいなあ、ということもありましたが、新しいことを始めたり、様々なお客様の新しいプロジェクトに携わらせて頂くなど、ここ2ヶ月は右往左往していました。まだ余裕がある訳ではないんですが、ぼちぼちいろんな集まりやイベントにも顔を出させて頂きたいと思っています。

そんな中、梅田さんの「残念」話が盛り上がるなど(個人的にはどうでもいい話で、むしろこんなに騒ぎ立てられることが驚きでしたが。ご本人も相当びっくりしたんじゃないでしょうか。)、周辺ではいろいろな話題があった訳ですが、自分としては3年後の自分の会社周辺の産業のあり様を考えるのに必死で、それどころではないというのが実情でした。

新しいインフラや、今回の金融危機に端を発した業界構造の変化をどう読むか、それによって自分の会社が強く成長するのか、あるいはネット業界の海の藻屑と消えるのか、その道行きが自分の見通し一つで大きく変わることを考えると、身のすくむ思いというか、楽しいけど胃の痛い日々を送っていたという感じです。

ただ年始のエントリーにも書きましたが、ここで適切な投資を出来るかどうかが後の事業の繁栄に大きな影響を持つのは間違いないので(不思議と周辺でも会社を独立して、新しく自分で事業を始める人も増えているような気がします)、そろそろ弊社は今期も締めの時期に入りますが、来期は特に慎重かつ大胆に判断をしていきたいと思っています。

さて、話は最近考えている「事業環境の変化」についてですが、様々な方とお話ししていて感じるのは:

  1. ここ3年で通信インフラとプラットフォームに大きな変化が訪れる
  2. 昨年までは既存メディアだけだと思っていたネット広告市場でも収益減少が起こっており、ネット広告ビジネス、ネットメディアやネットサービスの事業モデルも転換期を迎える
  3. ネットユーザーグループのモザイク化

主に上記のようなところになります。最初のテーマはだいぶ漠然としていますが、新しい網で様々なサービスが展開されることによって、ネットワークの利用方法もだいぶ変わってくるだろうし、事業構造にも大きな影響があるだろう、だから出来るだけそういう変化に備えて準備しよう、という話です(各所で普及しないと言われているIPv6でありますが、個人的には意外にエイやっと移行が進む可能性も十分にあるのではないかと思っていまして、一応会社でも引いて使ってみたりしています)。

後者の方は結構深刻な話で、metamixさん徳力さんのブログでも触れられていますが、今年に入ってこれまでであれば広告収入でギリギリ存続出来た可能性のあるサービスがバタバタと閉鎖されています。大手のネットメディアでも今はかなり厳しい状況だと各所で聞くこともあり、PV単価が高く、1PVあたりの生産コストの高い媒体を運営している会社は今後閉鎖の危機に立たされるのではないかと。

もちろんこれまでに閉鎖されたものの中には、収益バランスに至らないニーズしか無いサービスもあったかと思いますが、これから運営が厳しくなって来るところについては、必ずしもそうではなく、ユーザとしても無くなったら困る、というケースも出て来るのではないかと思うのですが、その時に適切な収益モデルが身近にないために手をこまねいているうちに閉じざるを得ない状況になってしまうこともあるんではないかと思います。

昨年末から個人的にはケータイWebサービスを横目で見つつ、コツコツとコンテンツやサービス課金モデルについて研究していますが、今年はユーザ課金、中でも課金タイミングとプライシングというところが重要になると感じています。そこでお客さんから支持されるものを作ることによって、盤石なサービス、経営基盤の基礎作りを始めたいところです(地味ですが、NAVITIMEはいい経営状況のようですし、その事業展開について学びたいところです)。

最後は直近のWeb関連の仕事では特に注意して見ているところですが、ネットユーザーのリテラシーというのはある方向に揃って発展していくものではなく、その行動体系やリテラシーの成長の方向もユーザーによってだいぶ異なったものになっているという実感を深めています。弊社の調査室ではネットユーザーの動向について、業務を通じて継続的にフィールドワークを行っていますが、その調査結果について話を聞いていると、「ネットおたく」からするとリテラシーが低い、と感じられるユーザーが、ある種のサービスにおいてはむしろ他のユーザーより積極的にネットを活用している、というような結果が見られるようになってきました。

古くからネットのサービスを作ってきた人ほどハマり易い落とし穴だと思うんですが、自分たちをエッジ層として考えて、他のユーザーはフォロワーとして捉え、その人たち向けには自分たちが使っているサービスのエッセンスだけを簡易に使えるように実現したサービスを設計してしまうきらいがありますが、全体としてネットユーザーが増加するに従って、実際にはユーザー間にはリテラシーの高低ではなく、全く違う利用方法、コミュニケーション形態が生まれるようになってきている、と捉えるべきなのではないかと思っています。

自戒の念も込めて大胆に言ってしまえば、エッジにいると思っている人達は、そういうところから目を背けてしまっていることで、自分たちが実はエッジでもなんでもないただのマイノリティであることに気づかず、大きな商機を逃していることも多いんではないかと思います(胸を張って「儲からないけど好きでやっているからそれでいいんだ!」ということならそれはそれで構わないんですが…)。

この3年を考える上では、ユーザーの動向をその身近でつぶさに観察しつつ、新しいビジネスシステムを考えながら、将来的なインフラから端末まで環境変化を予想して事業を展開していかないといけない、という意味でとても大変な時代だと思うわけですが(例えば5年前のWeb2.0ブーム時は、インフラについては発展の方向が明確で、あまりその変化について真剣に考える必要はなかったわけです)、それだけに大きな変化を起こせるチャンスでもあり、今期が終わるまでもうちょっとここ3年の事業環境について思いを巡らしてみたいと思っています(またディスカッションに付き合って頂ける方、是非気軽にお声がけ頂けると嬉しいです)。

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