垂直統合に盲点はないのか?(Vodafone x Softbank)
世の中的にはそりゃ新聞の一面に載るほどインパクトが大きく、ブログでも様々な意見が上がっている、SoftbankによるVodafone買収のニュースですが、個人的にはまあそう驚く話ではなく(というかブロガーの感想もそういったものがほとんどなわけですが)、ふうんという感じでさらっと読んでいました。
なので、ブログ界(?)がこのニュースでホットなのにも関わらず、個人的にはTIMEDOMAINのスピーカーについて呑気に書いていたりするわけですが(笑)、SWさんにも「何か書きますよ」と言った手前、また今日昼たまたまスタッフと話していて、あえて大方の意見とは反対の切り口で書ける部分が見つかったので、さらっとまとめてみました。
現在、ブログで取り上げられている、この話題に関する主流の論調は「垂直統合でいってしまえ、既存の携帯市場はドカンと破壊されてしまうよ」という感じだと思うのですが、冷静に考えてみると、ネットのサービスの垂直統合ってそんなに意味があるのだろうか?という話になります(そりゃ、通話通信料タダ!のような話が実現すれば、かなりインパクトがあると思うのですが)。
恐らく通話やメールなどのコミュニケーション利用がメインの市場にあって、コンテンツ収入を見込んだ通信料値引き路線がどこまで実現可能なのかは私も正直わかりませんが、急にインパクトのあるものにはなり得ないのでは?と考えています。この手の話はマクロから考えると凄い「キレイ」な結論にいきがちなんだと思うんですが、ボトムアップで考えると実は結構実現の難しい戦略になることがままあるのではないかと。
例えば、よく言われているのがYahoo!Japan(以下Y!と略させてもらいます)のサービスとの統合ですが、これも実は統合の仕方に難しさがあります。Y!側として見れば、Vodafoneのネットワークに対してしか付加価値が出せないとすれば、他のキャリアのユーザの取りこぼしを起こす可能性が出てくるわけで、Vodafoneにとってはありがたい話でも、Y!にとってはありがたくない話になる可能性大なわけです。
Y!側のスタンスで見れば、どのキャリアでも同じようにスムーズにサービスが使えることが、広範にユーザを獲得する(そしてこれが戦略の根幹にY!のサービスはあるわけですが)上ではメリットがあるわけで、どこかだけ突出したサービスを作ったからどう、という話でもないのでは?とちょっと疑問を持った次第です。つまり、Y!側としては、理想的な携帯ネットワークの姿と言うのは今のインターネットのような状態が実現することで、各キャリアによって閉じられた世界では恐らく無いだろう、ということです。それをVodafoneを買収したからと言って、実現可能なのかと言われればかなり疑問が残るところです。
かといって私は通信業界でFMCが進んで、通信の垂直統合の中でメディア力を持ったプレイヤーが伸していく、というストーリーを真っ赤な嘘だ、と言っているわけではなく(実際、MVNOなんかでブランドを持ったプレイヤーが成功している例はワールドワイドにはいろいろあるのを見ても、マーケティング力は圧倒的に上位プレイヤーの方が強いわけで。)、目指す方向としては正しいのだと思いますが、Vodafone買ったからすぐできる、という話でもないんだろうなーと(この辺、発表後も株価はそう変わっていないところを見ると、投資家としてはまだ様子見なんだろうな、と言う感じですが)。(追記:またインフラを抱えるのではなく、むしろMVNOでやった方が得策、と言う考え方もあると思う。)
クローズドなネット環境でのサービスと、オープンなネット環境でのサービスは、自ずと戦略が違ってしかるべきだろうと思っています。これから携帯のネット環境も変わっていくにしても、短期的にはこの視座が結構重要なんではないかと。
どちらかと言うと個人的には最近のリアルとネットを結ぶICチップ系のサービスの方がかなり気になっているところで、情報とリアルな行動が結びつくことで新たな経済圏が大きく出来るんでない?という感じがしているんですが、この辺はまだちゃんとまとまっていないので、後日。
いずれにしても、携帯のサービスはあまりにも世代間での利用形態が違うこともあり、そういう一般ユーザの行動の観察から始めて発想していくべきだと思っていて、さらにいろんなところにそういう調査の提案をしてみてはいるんですが、いまひとつ反応が悪かったりします。どなたかそういうところに興味のある方がいらっしゃったら、是非お問い合わせ下さい(かなり真剣です)。


こっそりYoshii9が欲しいなぁとか思ってるのは同じ身分です。w
でもまず、視聴したい!
3月 8th, 2006 at 2:06:39>> 情報とリアルな行動が結びつくことで新たな経済圏が大きく出来るんでない?という感じがしているんですが、
おお、このあたり、わたしがいま翻訳を手がけてる本の内容とまさにドンピシャなシンクロ具合でありますw
発売されたら一冊献本させていただきますので、お待ちを~。
3月 8th, 2006 at 17:45:34垂直統合ねえ
またまたM&Aが流行っておりますが、どんなに事業ユニットを足したところで、そんな簡単に垂直統合なんて起こらないですよね。まあそれぞれの事業ユニットが各々のステークホルダ…
3月 8th, 2006 at 23:02:44興味ありますが、どうしましょうかw。
3月 9th, 2006 at 1:45:49メディアの近未来像-御手洗大祐氏
株式会社日本技芸の代表取締役社長の御手洗大祐さんが今回のポッドキャスティングのゲ
3月 9th, 2006 at 9:28:39皆さんコメントどーもです:
>SWさん
スピーカーのエントリーは前のエントリーですよ:-) 試聴しに是非青山に行こうかと思っているんですが、年始からそんな時間全然なく。
>noriyoさん
献本、お待ちしています(笑)。ここは一歩間違えるととてもさむーい世界観になってしまうので、慎重にやりたいところです。個人的にはオグメンテッド・リアリティとか、もうちょっとそういうところに話が進むと面白いかも、と思っています。
>いしたにさん
どうしましょうか(笑)でも実は書いたら意外に反響を頂きまして、ちゃんと仕事に出来そうな雰囲気です。
3月 9th, 2006 at 17:26:46私もなぜAssetとして持つ必要があったのかに疑問を感じてます。
まあ、免許とっちゃってどっちみち同じ額だけ設備投資するなら顧客ベースあったほうがいいと思ったんだろうな
とか
ナンバーポータビリティ導入前に仕掛けたかったんだろうな
とか
Vodafoneとグローバルに提携するらしいからTV Bankとも連動させたいと思ってるんだろうな
とか寄り添って考えてみたりもしてるんですけどね。
3月 9th, 2006 at 20:17:10それを敢えてこっちにコメントするんもまたアレかとw
3月 10th, 2006 at 8:57:20