久々のSurvey MLへの投稿で考える(ものづくりとアンケート)
久々にSurvey MLである話題が盛り上がっている。新商品開発にアンケートは役立たない、というテーマで、日々アツイ議論が交わされているのだけど、MLで時間と能力をフルに使って濃いー議論をされている方々には到底敵わないので、さらっと私なりの感想をば。
正直なところ、私もアンケートはものづくりの感覚から結構遠いものだなぁと思っています。対象者も「いろいろといってやるぞ」と身構えているわけで、参考になる情報はぽろぽろと出てくるのかもしれないけど、その製品が本来使われるシーンや状況とはやはりかなり遠いところでのアンケートだと、およそアンケートで浮き彫りにしたい本質から遠いものしか出ないんじゃないかなぁと思っています。やっぱり、まず生活者に直接商品なりサービスをぶつけてみることが大事なんではないかと。
Web系サービスのよろしいところは「まずやってみる」のリスクが少ないからで、ちょこちょこサイトをいじってみると如実にアクセス数等に変化が出るのがわかるのが面白いところかと。私は以前B2B系の製品開発に携わっていて、そのフィードバックの時間間隔に辟易していたんですが、ネットは試したものを「どうだい?」とさらさらと世の中に問うことが出来るという意味で、いつも優れた環境だなぁと思うわけです。
ともあれ、そういうネット系のサービス開発を企画する際には、私は「自分の感性(根源的には、自分が買いたいかとか、欲しいかということでしょうか)」と「観察」を非常に大事にするようにしています。市場が欲しいというものよりは、自分が欲しいものを突き詰めていって、まずイメージを固めて、それを世の中にリリースした時を想像しながら、人が普段どのようにものやサービスを使っているかをしげしげと眺めるわけです。こうして作ったものは、結構いいセンに乗ることが多いような気がします。
月並みな話ですが、大多数の最大公約的なサービスとか商品って、実は嗜好が多様化している時代にはあんまりそぐわないんじゃないかなと思ってみたり。市場が成熟化して、消費欲が高度化すればするほど、アンケートで新商品開発をやっていくのは難しいと思います。
アンケートの危険性は、データに依存すればするほど世界を限定して、外部をどんどん拡大してしまうところにもありますし、結局アンケートを使うにしても、感性とか想像力を鍛える仕組みが商品開発には必要なんだよなぁと思う次第で。
パナソニックさんのノートPCでLet’s Noteという機種があり、これがかつてポインティングツールとしてトラックボールをユーザの声に合わせて残したことで話題になっていた時に、インタビューを兼ねて事業のご担当者の方にお会いしたことがありましたが、結局あるユーザコミュニティの意見を深堀りして、そこを大事にして行き過ぎると、どんどんと市場の範囲を自分で限定していってしまう、というような興味深いお話を伺ったことがありました。そのLet’s Noteは、その後トラックボールを諦め、別の商品コンセプトを打ち出して、見事に売上を伸ばした、という歴史もあり(何かの記事で読んだうろ覚えの話なので、信憑性に欠けますが)。
昔マーケティングリサーチに精通されている某氏が「考現学にはまって」みたいな数年前にされていたことがありましたが、観察からインスピレーションを生み出す手法みたいなものが、むしろ今は求められているような気がします。そういう意味で、梅田さんが以前CNET Blogで紹介されていた、IDEOの仕組みは本当に素晴らしいなぁと思う今日この頃であったり。
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